2023年10月20日  | 更新:2023年12月20日

採用サイト成功の鍵(3)SWOT分析でわかる。技術的変化の対応

SWOT分析でわかる。採用サイト制作における技術的変化への対応
採用サイトを制作する際に意外と見落とされがちなのが、Web業界における技術的変化の調査です。

この技術的変化を知ることの大切さがわかる事例として、わかりやすいのはスマートフォンの普及があります。
スマートフォンが普及する前は、採用サイトはパソコンで見られるものでした。しかしスマートフォンの普及により、現在では多くの人がスマートフォンで採用サイトを閲覧するようになっています。

PC用につくられた採用サイトは、スマホではとても見づらいです。
求職者に情報を伝えられないだけではなく、サイトから離脱されかねません。

スマートフォンが出だした当時、今後の普及をいち早く察知し、採用サイトをPC用だけでなくスマホでも閲覧できるようにした会社さんは、他社よりも優位に立てたことは間違いないでしょう。このように、採用サイトを制作する上では、Web業界における技術的変化を調査し、それに対応していく必要があります。

今回はマーケティングで用いられるSWOT分析を活用して、このWeb業界における技術的変化を調査し、どういう事がわかるのか、その調査内容を活用し採用サイトがどう技術的に変化するのか解説します。

はじめに:SWOT分析とは

SWOT分析は、内部環境要因であるStrengths(強み)とWeaknesses(弱み)、外部環境要因であるOpportunities(機会)、Threats(脅威)の頭文字をとって名付けられました。この4つの要素を詳細に考察することで、企業やプロジェクトの現状を総合的に把握し、将来の戦略を立てるための有用な洞察を得ることができます。

今回はこのSWOT分析を活用して、Web業界における技術変化にどのように対応するのか簡単な事例をもとに解説します。

Strengths(強み)の分析でわかること

自社が持っている独自のコンテンツや技術は、競合他社に対する優位性を生む重要な要素です。

たとえば、多くの競合他社が更新機能のない採用サイトを使っているなかで、自社の採用サイトでは更新のできるブログシステムがついているとしましょう。

働く人目線の職場の雰囲気や働く人の生の意見など、求職者が知りたい情報を現場目線でリアルタイムに伝えることができるのは、ブログシステムがついている自社独自の強みとなります。

Weaknesses(弱み)の分析でわかること

競合と比べて見劣りしていたり、不足していたりするコンテンツや技術がある場合、それは明らかな採用サイト上の記述的な弱みとなります。

たとえば、競合他社の採用サイトでは多くが動画コンテツを使って会社の雰囲気や働く様子を伝えていた場合、自社ではそのようなコンテンツがなければ、それは自社の弱みとなります。

また競合他社が対応していなくても、スマートフォンでの閲覧がほとんどを占める現在にとって、採用サイトがスマートフォン対応されていなければ、それは明確な弱みとなります。

Opportunities(機会)の分析でわかること

技術革新、トレンドの変化など、企業にとって追い風となる要因があります。

例えば最近話題のAI技術。AIを使ったチャットボットを採用サイトで活用することで、求職者の質疑応答にリアルタイムに応えることが出来たり、エントリーフォームとAIを連携して、事前選考を自動化し効率を図ることが出来たり、求職者のデータ解析が出来たりと採用活動における機会だけでも多くの選択肢が考えられます。

Threats(脅威)の分析でわかること

企業が直面する外部からのリスクや脅威を指します。これには、市場環境の変化、法規制の厳格化、競合他社の戦略などが含まれます。

最近の事例ですと、2024年4月より一般企業でも「Webアクセシビリティの対応が義務化」される事などがこれにあたります。
引用:障害者差別解消法|内閣府

「クロスSWOT分析」で採用サイトに求められる技術的変化に対応

SWOT分析によって、Web業界における変化における基準が見えてきました。
ただし、現時点では見えてきただけに過ぎません。
ここで出てくるのが、「クロスSWOT分析」です。

クロスSWOT分析では、SWOT分析で抽出した「強み」「弱み」「機会」「脅威」をそれぞれ掛け合わせることで、採用サイト制作において、選択すべき技術的戦略を明確にしていくことができます。

詳細はWebマーケティング」の記事にて紹介いたしますが、おもに以下4つの組み合わせで、戦略を導き出します。

「強み」×「機会」:強みと機会を最大限に活かしていく為の戦略となります
「強み」×「脅威」:強みを活かして脅威を克服するための戦略となります
「弱み」×「機会」:弱みによって機会を逃さないよう、弱みを克服する為の戦略となります
「弱み」×「脅威」:弱みと脅威によって訪れる危機を回避することに注力するための戦略となります

例)「強み」×「機会」

「強み」であるスタッフのブログ記事のデータと「機会」であるAIチャットボットを組み合わせることで、働き方や雰囲気など求職者が気になる事をチャットボットに質問するだけで自動返答してくれる機能を提供できるかもしれません。
さらにチャットボットの口調をより現場の人間に近いものに調整することで、求職者から見て現場の人と直接やり取りしているような体験を提供できることになります。

例)「強み」×「脅威」

「弱み」の採用サイトがスマートフォンに対応していないと「脅威」のWebアクセシビリティの義務化といった情報からでも、これを機にスマートフォンとWebアクセシビリティに対応した新しいサイトにリニューアルするという判断も出来ます。

まとめ

SWOT分析を行うことで、自社の強みと弱みを把握、Webにおける技術的変化をいち早くつかみ取ることができます。

そしてクロスSWOT分析にて強み・弱み・機会・脅威の4つの要素を掛け合わせることで、採用サイトに求められる機能面、セキュリティやSEOに求められるものなど、ニーズの調査や競合調査・自社分析だけでは導き出せない技術的仕様の方針を決め、より求職者に響く採用サイトを制作することが出来ます。

さて、今回の記事までで、効果的な採用サイトを制作する前の準備について解説してきました。
次回の記事では、実際に採用サイトを作る上での、ノウハウについて解説していきたいと思います。

なお今回紹介したSWOT分析での調査方法については、Webマーケティングにて詳しく記載していますので、こちらも是非。(Webサイト成功の鍵!STP分析による効果的なターゲット選定

分析を行い、それを採用サイトに反映するには、専門的な知識や時間がかかります。まずは悩む前にお気軽にご相談ください。一緒に悩みを解決しましょう。

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